こちらは、メンズ外羽根タイプ。革とソールにこだわりがあります。
革はアドバンと呼ばれる表面仕上げ方法で、何もしない状態だとネイビーのガラスの革です。
それを靴になってからバフがけすることにより、摩擦熱が加わり表面の膜が溶け下地から違う表情の面が出てきます。ところどころ、薄い色になっている部分がバフがけ後の表情です。
ダメージデニムのような色褪せた感じを目指しました。タンナーと打ち合わせをしオリジナルカラーで作りました。
ソールは写真だと分かりにくいですが、二層になっています。表面はクリアにし、内部の色が透けて見えるようなイメージにしました。説明は難しいのですが、水羊羹のような感じを出したかったのです。
なお、こちらのソールはオリジナルのモールド型から起こしました。このケースでは、モールド代は1サイズ40万円くらいかかりました。
通常、モールド型は大量生産をする前提で起こします。
しかし、弊社の特徴として生産数の少ないものでも、お客様のイメージがどうしても既存のソールでは再現できない場合、小ロットでもモールド底を作成します。ただし、モールド型代を考えると小ロットではコストが高くついてしまいますので、難しいところです。
弊社クランクは、革もソールもすべて完全オリジナルで作れる生産背景があります。デザイナーの皆さんのイメージを実現する力を持っていると自負しております。
しばらく前に手掛けたコレクションブランドの靴です。
このコレクションブランドさんはレディースがメインのブランドでしたが、この時はメンズのOEM依頼を承りました。
木型、デザインバランスはメンズビスポークのような雰囲気です。
アッパーはキャンバス生地を使って軽い感じでとの依頼でした。
さて、ソールは革、ヒールも革積み上げを使用しています。対してアッパーは敢えてライニング(裏革)を付けず、ざっくりとした印象を残しました。
企画から納品までは5ヶ月程度でした。
生産数は数足でしたので、生産分もサンプルと同価格となりました。